ちょっと一息(お勧めの1冊)
◆ちょっと一息(お勧めの1冊)◆
著書名:『ソフィーの世界』 作者名:ヨースタイン ゴルデル
●本日は、ヨースタイン・ゴルデルが著した『ソフィーの世界』を紹介します。●本書はファンタジーとして、ミステリーとしても読むこのできる物語形式をとった哲学入門書です。●難しい哲学の内容を易しく、それも哲学の歴史について非常に分かりやすく整理されているため、哲学について、俯瞰的にそして体系的に学ぶことができる一冊となっています。●手紙を通じて行われる対話形式の軽快なテンポに合わせ、主人公のソフィーと共に考え、感じて歩んでいく時間は心地良く、学びの多い体験となるはずです。●哲学の講義はどれも興味深い謎に満ちているとともに、「人間の存在」について考える上で、素晴らしい構成となっています。●特に、登場人物の関係性が明らかになる中盤以降は、物語にぐいぐい引き込まれ、先を読み急ぎたくなること請け合いです。●本書は1991年に出版され、全世界で2600万部以上を売り上げたベストセラー作品です。発売から30年が経過しても全く古くささを感じさせません。●哲学という古から続く学問がテーマであること、物語としての魅力があることが、その理由だと思います。●600ページを超える長編作品ですが、普段、あまり考えることのない疑問について考えることは、思考の幅を広げることにつながるはずです。●ぜひソフィーと共に生徒になって、哲学の問題に取り組んでみてはいかがでしょうか。●では、簡単にあらすじを紹介します。
●ある日、ソフィー(14歳の少女)のもとへ一通の手紙が舞い込みます。消印も差出人の名もないその手紙にはたった一言、『あなたはだれ?』と書かれています。思いがけない問いかけに、ソフィーは改めて自分をみつめ直すことになります。次の手紙には『世界はどこからきた?』と書かれた紙きれが入っています。ソフィーは今いる世界、そして自分自身が誰なのかという疑問について考えます。「わたしっていったいだれなんだろう?」今まで当たり前だと思っていたことが、ソフィーにはとても不思議なことのように思えてきたのです。それからも問いが書かれた手紙が届き続け、簡単な哲学の講義が始まります。どこの誰とも分からない相手からの手紙ですが、ソフィーはいつの間にか哲学の世界に足を踏み入れていくのです。●不思議なことは他にも起こります。ソフィーの元にヒルデという少女宛ての手紙が何度も届きますが、ソフィーはその少女を知りません。ヒルデとは一体誰なのでしょうか。どんな秘密が隠されているのでしょうか。●その謎が少しずつ明かされていくという展開構成となっています。
●『ソフィーの世界』は、手紙を通しのやり取りとなっているため、疑問を投げかけるとそれに対しての回答を得ることができます。●また、ソフィーは「問い」について真剣に考え、自分の答えを導き出したり手紙の差出人に疑問を投げかけたりします。●そして、そのソフィーが導き出した答えは、私たち読者が「哲学」について考えるためのヒントともなっています。●他の教科書や専門書を読むよりもずっと哲学を身近に感じることが出来る作品となっていますので、ソフィーと一緒に哲学について考えてみてはいかがでしょうか。